十二国記『白銀の墟 玄の月』3・4巻感想(ネタバレあり)

前略

十二国記『白銀の墟 玄の月』待望の3・4巻を読みました。

白銀の墟 玄の月

一気に読んで、その後いろんな人の感想を読み漁っていました。私が気づかなかったことなどもあって、やっぱり他人の感想を読むのは楽しいですね。

1・2巻の感想はこちら。

白銀の墟 玄の月・1巻2巻を読みました

というわけで私も思いっきりネタバレありで感想を書いてみます。

ひと通り読み終えて

まず、尻切れトンボ感でいっぱいの読後感でした。この感じ、青蘭、落昭に通じるものがあります。

なんというか、将棋の王手を指して投了した、みたいな。実際に王手の次の王を取るところまで見たいと思ってしまうのは、そういう物語に慣れきっているせいかもしれません。

後味はスッキリしないんですが、それこそ戦城南の歌にそってますね。そうか、最初からスッキリしないお話だと示唆されてたのか。

とはいえ、映画のエンドロールと考えると納得がいきます。

驍宗と泰麒が鴻基を出たところで本編が終わり、画面が左上4分の1くらいに小さくなって、黒バックの中、右側には白文字でスタッフロール。

阿選のツッコミと臥信の種明かしから江州城での延王延麒のコントやら正頼のその後などが、爽やかな主題歌をバックに流れる。徳永英明の『夢を信じて」くらい爽やかな歌。

スタッフロール終わり、項梁と去思の再会で全画面。歌は継続する。

会話が終わり、カメラが青空にパンアップして歌終わり。青空のまま、BGM?は鳥のさえずりに。

カメラは下に動き紅花をつむ園糸。栗が2つ目のお守り石を探しに行ってエンドマーク。

妄想

そんな妄想しました。

これは結局、阿選を討つ物語ではなく、泰麒が主の許に帰るおはなしなんですね。だから討伐部分は歴史書の1文で事実だけでOKなんでしょう。

まぁ、本当は阿選討伐も読んでみたかったのですけどね。

各人物のこと

2巻まで読んだ時点では、回生と耶利が活躍すると思っていました。二人が同じくらいの年齢だし。でも回生は一瞬の出番でしたね。

琅燦の真意が結局わからずじまいですね。冬官が病まなかった理由は彼女の差し金なんでしょうけど。大量の妖魔を用立てるとか、琅燦まるでドラえもんです。

4巻ではどんどん登場人物が死んでいくのですが……特に恵棟と飛燕は悲しかったですね……恵棟は死んだわけではないですが、心ある能吏って素敵じゃないですか。泰麒の数少ない味方なわけだし。飛燕についても、ページを追うごとに飛燕の描写が増えてきて、あれ?と思っていたところで。飛燕とは『風の海 迷宮の岸』の頃からのつきあい()ですから、胸に詰まるものがありました。

それでメインの泰麒。正頼の牢での切羽詰まった場面で、麒麟の本性とかあれこれ考えるところが人間味があるというか(麒麟だけど)。実はすべての麒麟は殺傷経験があり、自覚がないだけ、という冷静な分析もすごい。私は『麒麟は他人を殺傷できない』と思い込まされていました。

まあ、景王陽子の右手を貫いた 塙麟がいますが……さらにラストシーンでは本当に麒麟は王のためなら殺傷も可能、ということを証明してくれました。

戦のこと

再三、戦は数がすべてを強調されていたのも印象に残りました。それこそ1巻から。

ファンタジーというかヒーロー物のお話だと少数のヒーローがみんなの応援を受けてパワーアップして大勢の強大な敵に勝つ、という流れが一般的です。そんなことは現実の戦争では有り得ない。

だからこそ最後延王の『諸国が支援する』の一言で驍宗側の勝利が決定してしまうんですよね。

まさかの心中ラストになるのかとヒヤヒヤした数ページ前が嘘のようです(笑)

その他のこと

どんどん増える登場人物に、だれがだれだかわからず追いつけていませんでした。1巻から全部通して、場面が李斎、泰麒、耶利、回生、老安(里)、川に供物を流す親子、馬州の里、あちらこちらと飛ぶのでここでの視点はだれのものかが迷子になりながら読んでいました。卵果がかえる前に父母が死んだ里が、あとから驍宗ら一行が雁に亡命しようとする旅程で火事が起きた里、阿選に驍宗の居場所をしられてしまった場所としてつながってくるのには驚きました。

以前予想した冬至の祭礼に間に合いませんでしたけど、延王が『1年かからなかったな』とお褒めになっておられますから、実は李斎すごいですよね。

あれ?不満ばかり書いている気がする。実際は読んでいるときはハラハラ・ドキドキ、続きはどうなるの~?と没頭して読んでいました。

今後の妄想、泰麒が謎の画伯として絵を売って稼ぎまくるとか、項梁パパになるとか、見てみたいですけど……小野先生はそういうの書かなそうですね。あと、ロン毛バージョンの泰麒挿絵も見てみたいです。

それから、また誰かの感想や考察を読むのも好きなので、たぶん読み漁ります。この記事を読んだあなたも、どこかで感想書いてみませんか。

かしこ

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